パパになった航空自衛官は強がり双子ママに一途な愛をわからせたい
「千愛里さえよければ、今度水族館に行かないか?」
「え?」

 唐突な提案に、思わず目をまたたかせる。すると伊澄さんはふたりをちらりと見て、それから口を開いた。

「千愛里、車持ってないだろう? 琉星くんも瑞月ちゃんも、あまり出かけられてないみたいだから。ふたりに聞いたら、お魚が見たいそうだ。だから」

 昨日の夜に見た教育番組では、海の魚の特集をやっていた。きっとふたりは、それを伊澄さんに伝えたのだろう。

 だからと言って、連れて行ってもらうわけにはいかない。
 伊澄さんとはもう会わないと決めたところだし、そもそも、今日のこれも〝お礼〟なのだ。

「いいですって、そんな」

 慌ててそう言ったけれど、伊澄さんはキラキラした笑顔の子どもたちをちらりと見てから、私に優しい笑みを向ける。

「俺は、千愛里を助けたいんだ」
「でも――」

 お断りの言葉を改めて口にしようとしたのに、伊澄さんがそれを遮った。

「今なら、俺が車を出せるから」
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