パパになった航空自衛官は強がり双子ママに一途な愛をわからせたい
「ぼく、イルカさんのおうどん!」
「みづきは、ペンギンさんのおにぎり!」

 思い思いのメニューを指差すふたりを見て、思わずくすりと笑みがもれた。

「千愛里はどれにする? 俺が買ってくるよ」

 その声に顔を上げると、伊澄さんににこっと微笑まれる。
 思わず胸が跳ね、慌てて平静を装った。

 勘違いしてはいけない。これも全部、私を助けたいという彼の優しさだ。

「いいんですか?」
「ああ。千愛里はここで、ふたりを見ていて」
「じゃあ――」

 伊澄さんが注文しに行ったその背中を見ながら、私は思う。

 ひとりだったら、こんなふうに分担することはできない。だからこその〝手助け〟なのだろう。
 この子たちの笑顔が見られて、本当によかった。彼には、感謝の気持ちでいっぱいだ。

 しばらくして、トレーいっぱいにご飯を乗せた伊澄さんが戻ってくる。

「ありがとうございます」

 私は買ってきてくれたこと以上の気持ちを込めて、彼にそう伝えた。


 食事を終え、イルカショーやアシカショーを楽しんだ後、私たちは水族館を後にした。
< 125 / 292 >

この作品をシェア

pagetop