パパになった航空自衛官は強がり双子ママに一途な愛をわからせたい
「そういえば、伊澄さんはブラックなんですね。昔は、カフェラテだったのに」

 小松にいた頃、彼はいつも私と同じものを頼んでいたはずだ。

「そんなこと、覚えているんだな」

 伊澄さんは言いながら、くすりと笑った。
 忘れるわけがない。彼と過ごした日々は、私の大切な思い出だ。

「ちょっと、思い出しただけです」

 未練がましく思われてしまう気がして、私はぶっきらぼうにそう言った。すると伊澄さんは、今度は自嘲するような笑みをもらした。

「俺も色々あったんだよ。恥ずかしいから、これ以上は言わない」

 伊澄さんは羞恥からか、すぐにコーヒーに口をつけた。

 だけど、それも当たり前のことだ。
 あれから四年半も過ぎた。伊澄さんの優しさは変わらないけれど、互いに過ごした時間は全然違う。
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