パパになった航空自衛官は強がり双子ママに一途な愛をわからせたい
 思わず声を止め、彼を見上げる。

「ごめん、君の方が焦っているのが面白くて、つい。大丈夫、俺は今日は飛ばないから。今月末で、ブルーは引退するんだ」

 そう言う彼を、まじまじと見つめてしまった。
 がっちりとした体つきから考えても、『今日は飛ばない』と言ったことを考えても、彼はきっとパイロットなのだろう。

 しかし、いくら『飛ばないから』と言っても、間もなくブルーインパルスの展示飛行が始まってしまう。ここにいて、大丈夫なのかな。

 そう思っていると、彼は笑いを収めて、だけど笑顔で私に告げた。

「君は、ひとり? ブルーを見に来たの?」
「はい。私、航空博物館で働いてるんですけど、ブルーインパルスを見たことがないって言ったら驚かれてしまって。ぜひ見てこいって、職場の皆に言われて」

 苦笑いを浮かべながらそう言うと、彼は空を見上げた。

「確かに、小松にブルーが飛ぶのって久しぶりだな」

 彼はそう言うと、こちらを向き直る。

「君は、なにか他に好きなものがあるの?」
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