パパになった航空自衛官は強がり双子ママに一途な愛をわからせたい
 しばらくすると、ブルーが二機、基地の上空へと戻ってきた。
 並んで飛んできたそれは、澄んだ青い空に白いスモークで大きなハートマークを描く。

 素敵だけれど、私はずっと別のものを捜していた。伊澄さんは、どこへ行ったのだろう。

「千愛里、あそこ」

 大雅がそう言って、向こうの空を指差した。
 そちらを見ると、太陽がなにかを反射してきらりと光る。

 しばらくすると、それがこちらに近づいてくる戦闘機だと分かった。あれは、伊澄さんの乗るFー15だ。
 機体が大きくなるにつれ、胸のざわめきも大きくなる。

 だけど、一秒たりとも彼のフライトから目を離したくない。迫りくる彼の機体を、私はまばたきもせずに見つめた。

 すると、Fー15は先ほどブルーの描いたハートの下へ飛んでゆく。それから、真っ直ぐにハートの心臓部に突き刺さるように華麗に飛行した。

「すごい」

 思わず呟く。
 伊澄さんはいつも、こんなふうに空を飛んでいるんだ。そのことを改めて実感し、圧倒されるまま大空を眺める。
< 187 / 292 >

この作品をシェア

pagetop