パパになった航空自衛官は強がり双子ママに一途な愛をわからせたい
「白湯を頼む」

 父はそう言いながら、おとなしくソファに腰かけてくれた。その様子に胸を撫で下ろし、お湯を沸かすと父の湯飲みを探した。

「ふたりとも、大きくなったな」

 ぽつりと父が言い、私は思わず手を止めた。
 だけどここで会話を止めてしまってはもう父と話せなくなってしまうような気がして、私はそっと口を開いた。

「うん。瑞月と琉星だよ。もう、三歳半」
「そうか、三歳半……」

 父がそう呟いた時、父の湯飲みをやっと見つけた。水切りラックの奥の方に、口を逆さにしたまま置いてあった。

 それを手に取ると、下から私の使っていた湯飲みが出てきた。
 黄色に桜の花が描かれた、大好きだった湯飲み。私が出て行ったあの日と同じように、そこにちょこんと置かれていた。

 その湯飲みを見ていると、父の色々な想いを感じ、胸から熱いものがこみ上げた。やっぱり父は、私の親なのだ。
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