パパになった航空自衛官は強がり双子ママに一途な愛をわからせたい
 そう考えると、千愛里のために、自分は戦闘機パイロットでいるべきではないように思えてくる。

 彼女と、彼女の守ってきてくれた子どもたちのために。千愛里を愛するひとりの男として、ふたりの父親として、彼らのそばにいるほうが正しい気がしたのだ。

 ――俺はこのまま、空を飛んでいていいのだろうか。

 上官にも、戦闘機乗りを辞めるかもしれないと相談した。上官は親身になって聞いてくれたが、辞めるなら止めないと言う。

 辞めるかどうかを決めるのは、伊澄自身だ。自分の操縦桿は、自分で握れということなのだ。

「空賀三佐、交代です」
「ああ」

 呼びに来た後輩にそう返事をしながら、伊澄は立ち上がった。

 ――これでは全くかっこいい戦闘機パイロットではない。むしろ、自衛官失格だ。

 ため息をこぼしながら、伊澄は夕食時の食堂へと向かった。
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