パパになった航空自衛官は強がり双子ママに一途な愛をわからせたい
 ふたりが選んだのは、ブルーインパルスの塗り絵だ。青、赤、黒など、クレヨンを駆使して真剣に色を塗るふたりは微笑ましい。

 ついこの間まで、ふたりとも得体の知れない物体しか描けなかったのに。
 子どもたちの成長を感じほっこりしていると、不意に背後から肩を叩かれた。

「千愛里、ちょっと」

 振り返ると、伊澄さんに耳元で小声で言われる。

「でも、子どもたちが――」

 言いながら子どもたちの方を見ると、元同僚が瑞月と琉星の横に膝をついてふたりを見ていてくれた。

「瑞月ちゃんも琉星くんも、とっても上手だね」

 彼女はそう言うと、こちらに笑顔で目配せをする。
 目をまたたかせながら振り返ると、間近で伊澄さんが微笑んでいた。

「な、少しだけだから」

 そう言われ、彼に腕を引かれる。
 やって来たのは、子どもたちも見える場所。Tー4、ブルーインパルスの機体の前だった。

 伊澄さんはなぜか、その機体を愛でるように見つめている。
< 284 / 292 >

この作品をシェア

pagetop