パパになった航空自衛官は強がり双子ママに一途な愛をわからせたい
 大雅は急に少年のような顔をして、空賀さんを見つめる。空賀さんは足早にこちらにやってくると、にこやかなまま私の前で立ち止まった。

「はじめまして! 俺、オージさんのファンなんです!」

 大雅が体を前のめりにして、空賀さんを見上げた。身長百七十センチの大雅と並んだ今、はじめて空賀さんは背が高いのだと知った。
 百八十センチはありそうだ。今まで気づかなかったのは、優しい笑みと物腰の柔らかさで、威圧感が抑えられていたからだろうか。

「ありがとう。嬉しいよ」

 空賀さんはにこやかにそう言うと、大雅に右手を差し出した。大雅は感激したように差し出された彼の手を握り、ぶんぶんと上下に振る。
 しかし空賀さんの手を離すと、大雅は訝しげに私を見た。

「千愛里、いつの間にオージさんとそんなことになってたんだよ」
「そんなことってなに? 私はただ――」
「今はまだ、俺の片思いです」

 私の言葉を遮って、空賀さんがそう言う。
 はっと彼を見上げた。甘いマスクで微笑まれ、全身が震えてしまう。
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