パパになった航空自衛官は強がり双子ママに一途な愛をわからせたい
 先に湯を上がった私は、伊澄さんが出てくるのを待っていた。窓辺の椅子に腰かけ、そわそわしていると、伊澄さんがお風呂から戻ってくる。

「お待たせ」

 振り返ると彼と目が合い、急激に鼓動が加速した。
 濡れた髪に上気した彼の頬が、口元のほくろが、やたらと色っぽい。浴衣の隙間から覗く胸筋にも、男性を意識してしまう。

「どうした?」

 彼が私の顔を覗き込みながらそう聞いてくるので、私は肩をすくめ目を逸らした。これ以上近くにいては、心臓がはちきれてしまいそうだ。

「すみません、想像以上に伊澄さんがかっこよくて」

 そう告げると、伊澄さんが私の頭に優しく右手を置いた。その手は私の髪を滑るように撫で、私の頬に触れる。

「こっちを向いて、千愛里」

 そのまま優しく顎を持ち上げられると、嫌でも彼と目が合う。
 愛しいといわんばかりの視線を向けられ、なにか熱いものが、胸の奥からこみ上げた。
 目元が潤んでしまうけれど、彼から視線を逸らしたくはなかった。

「千愛里も、とてもかわいいよ」

 彼はそう言うと、私の唇に優しいキスを落とす。それで、緊張がピークに達する。
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