パパになった航空自衛官は強がり双子ママに一途な愛をわからせたい
「愛している」

 そう囁きながら、何度もキスを落とす彼に身を任せる。彼と体を重ねる幸せに満たされながら、私はその夜、初めて彼とひとつに溶け合った。


 岩国基地は瀬戸内海に面した基地で、米軍との共用の基地でもある。そのため、オープンベースでは海上自衛隊の航空機の他に、米軍の戦闘機もお目見えする。

 私は伊澄さんの解説を聞きながら、オープンベースを楽しんでいた。

「かわいい」

 お土産売り場を見ていた時、私は思わず深緑色の服を着たテディベアを手に取った。ヘルメットも被ったそれは、まるで小さな戦闘機パイロットだ。

「伊澄さんも、こんな恰好で戦闘機に乗ってるんですか?」
「まあ、そんな感じだな」

 彼の言葉に伊澄さんが戦闘機に乗っている姿を想像し、満足した私はテディベアをそっと売り場に戻した。
 すると、伊澄さんはそれをひょいと手に取る。きょとんとしていると、彼はくすりと笑った。

「じゃあ、この子は〝伊澄ジュニア〟ってことで」
「え?」
「俺がアラスカに行ってる間、この子に千愛里のそばにいてもらう。悪い虫が、つかないように」

 彼はそう言うと、そのままテディベアを購入してくれた。
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