パパになった航空自衛官は強がり双子ママに一途な愛をわからせたい
「お腹に赤ちゃんがいる状態で、まわりに頼れる人がいないっていうのが心配なの。ここは別荘地だから、なにかあったときに発見が遅れてしまうでしょう。うちの近くなら人目もあるし、なにより私が近くにいられるわ」

 彼女の優しさに、思わず泣きそうになってしまった。

「いいんですか?」

 すると、彼女は満面の笑みを浮かべる。

「もちろんよ。私は子どもたちが成人して東京に行ってしまってね。旦那は定年退職後は趣味に明け暮れてるし、あなたが来てくれたら嬉しいわ。毎日が、明るくなりそう」

 きっと彼女は面倒見が良いのだろう。歳の割にはつらつとした黒木さんは、からっと明るく笑う。

「ありがとうございます」

 申し訳なさはあるけれど、いつまでもこの場所にお世話になるわけにもいかない。

 私がここにいると石浜建機に知られてしまっては、由芽さんに迷惑をかけてしまうかもしれない。
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