いきなり三つ子パパになったのに、エリート外交官は溺愛も抜かりない!
麻衣子は高校卒業後すぐに就職をしたが、本当は大学に進学して興味を持っていた歴史の勉強をするつもりでいた。
けれど高校二年生のときに父が病気で亡くなったため、経済的な面などを考え進路を変更せざるを得なかったのだ。
奨学金を受ければ進学できただろうが、母が心身ともに弱り、仕事を続けられなくなる不安があったこと。二歳年下の妹、絵(え)麻(ま)も大学進学を希望していたことなど、トータルで考えた結果、自分は就職をして安定した収入を得て家族を支えようと決めたのだ。
その決断に後悔はない。おかげで母がパートの仕事を休職した期間も、経済的な不安を感じることはなかったし、妹が希望の大学に無事進学できたのだから。
ただいつか、余裕ができたときに、大学で勉強したいと思い、できるかぎり貯金をしていた。
そして絵麻が大学四年になり、就職先の内定が決まったのを機に、夢を叶えるために動きだした。
(まさか、フローリストを目指して海外留学をすることになるとは思っていなかったけれど)
歴史の勉強から、花の勉強と進みたい道は変わったけれど、麻衣子は今の環境を幸せだと思っていた。
本場のイギリスで学び、フローリストとして、一人前になりたい。
そしていつか自分の店舗が持てたら……。
たくさんの花々が咲く小さな店で働く、未来の自分を想像すると心が弾むのだった。