いきなり三つ子パパになったのに、エリート外交官は溺愛も抜かりない!

「麻衣子、ここが空いてる」

 亜里沙が誰も座っていないベンチを見つけ声を上げた。 

 授業がある日のランチは、たいてい亜里沙と共に食堂に行くが、今日は久しぶりに天気が良いので、パンを買い屋外で食べることになったのだ。
 並んで座り、授業の内容などを話ながら食事をしていると、亜里沙がふと思い出したように言った。

「あれから羽澄さんとは連絡とってるの?」
「えっ? ……ごほっ!」
「ちょっと、大丈夫?」

 亜里沙が慌てて声を上げる。

「う、うん……ちょっと変なところに入ったみたいで」

 本当は突然裕斗の話題になったから、驚いてしまった。

 麻衣子は飲み物を飲み、呼吸を落ち着けてから口を開いた。

「羽澄さんとは、あれきりよ」
「そうなの? 羽澄さん、すぐに連絡をしそうな勢いだったんだけどな……」

 亜里沙が不思議そうに首をかしげる。

 実は麻衣子も、あの日の別れ際は同じような感想をもっていた。

 だから、連絡が来るのを楽しみに待っていたのだ。残念ながらあれから一週間が経った今でも、着信ひとつないのだけれど。

「……忙しいんじゃないかな。気が向いたらいつか連絡をくれるかもしれない」

 口ではそう言いながらも、可能性は低いと思っている。

「麻衣子からは連絡しないの? 新しい友人ができたって喜んでいたじゃない」

「亜里沙がたくさん友人を紹介してくれたことには感謝しているよ。あれからときどきメッセージのやり取りをしている人もいるし。ありがとうね」

 様々な考えを持つ人との交流は視野が広がるし、勉強になる。
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