いきなり三つ子パパになったのに、エリート外交官は溺愛も抜かりない!

 新しい年の始まり。

 裕斗が新年の挨拶に、麻衣子の家にやってきた。

「ひろとくん、あけましておめでとーございます」

 いつもよりもおしゃれな服を着た三つ子が、裕斗を出迎える。

「あけましておめでとう」

 裕斗は三つ子、ひとりひとりに挨拶をして、お年玉を渡すと、少し離れた場所で見守っていた麻衣子と絵麻に目を向けた。

「麻衣子、絵麻さん、新年あけましておめでとうございます」

「あけましておめでとうございます」

「あけましておめでとうございます。裕斗さん中にどうぞ。おせちを用意したんですよ」

 絵麻が気さくな様子で言う。

 もう何度か顔を会わせて、裕斗と絵麻はだいぶ打ち解けていた。

「おせちか。もしかして絵麻さんの手作りか?」
「ええ。お姉ちゃんと一緒につくりました」
「私は手伝っただけだよ」

 絵麻がつくったお節をみんなでおしゃべりをしながら食べる。
 食事を終えて、子供たちが落ち着いたタイミングで、麻衣子は三つ子に呼びかけた。

「だい、ゆず、はる。こっちに来てくれる」
「ママ、どうしたの?」

 三つ子がすぐにやってくる。
 三人並んで不思議そうな顔で見上げてきた。
 麻衣子は緊張を覚えながら、裕斗をちらりと見遣りそして口を開いた。

「今日は三人に大事な話があるの」
「だいじなはなし?」

 こはるが、こてんと首をかしげる。

「そう。ちゃんと聞いてね」
「はい!」

 よい返事が返ってくる。

「裕斗さんはね、だいとゆずとはるのお父さんなの」

 三人が無言で裕斗を見つめる。

「……おとうさん? パパ?」

 緊張を破って声を出したのは柚樹だった。

「ああ、そうだ。君たちのパパだ」

 裕斗が膝をつき、語り掛ける。

「パパ!」

 大樹が裕斗に抱き着いた。
 柚樹と小春も大樹に続く。

「パパ!」
 子供たちが受け入れられるか心配だった。けれどそれは杞憂で、輝くような笑顔が裕斗を囲んでいる。

「お姉ちゃん、よかったね」

 絵麻が麻衣子の肩をぽんと叩いた。

「絵麻……うん、ありがとう」

 雨村家のリビングに、幸せな笑顔があふれる。

 それは幸せな新年の始まりを予感させるものだった。

                      


 

 
 




 
 
 
 
 
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