いきなり三つ子パパになったのに、エリート外交官は溺愛も抜かりない!

 まだ体がだるい麻衣子を気遣い、裕斗が朝食を作ってくれた。

 彼が手際よく用意したのは、こんがり焼いたトーストとスクランブルエッグとサラダ。

 暖かなスープまで添えられて朝から豪華だ。イギリスではトーストにマーマイトというペーストを塗って食べることが多いが、裕斗も麻衣子も口に合わず、普通のバターを塗る。

 ソファに並んで座り、食事をはじめる。

 麻衣子がパジャマ代わりに着ているおきなサイズのシャツは、裕斗のものだ。

 メイクをしていないすっぴんなので、少し幼く見えるかもしれない。

 裕斗はルームウエアとしている、スエット姿。元がいいからか、こんなラフな姿なのにモデルのよう。

 見慣れても色褪せないほどかっこよくて、エリート外交官で……本来なら関わりにすらなる機会がないような彼が、自分の恋人だなんてときどき信じられなくなる。

 それでも彼の愛情はほんものだと確信できる。そう信じられるように、裕斗が愛を伝えてくれた。

(さっきだってずっと一緒に居ようと言ってくれたもの……あれ、もしかして私、プロポーズされたのかな?)

 嬉しさが勝って深く考えなかったけれど、そう受け止めていいのだろうか。

(でも結婚しようとはっきり言われたわけじゃないよね)

 付き合い始めてまだ二カ月だ。結婚話は時期尚早だろう。

 舞い上がりすぎず、冷静にならなくては。

 それでもやはり気になってしまい、麻衣子は裕斗に視線を向けた。
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