いきなり三つ子パパになったのに、エリート外交官は溺愛も抜かりない!
代理人の声が、一段低くなった。内容も脅しのように感じる。
麻衣子は怯みそうになる心を奮い立たせて、反論する。
「でも、やはり納得できません。玲人さんからの接触が心配なら、それこそ藤倉議員から彼に言えばいいんじゃないでしょうか?」
「納得できないなら裁判にしますか? しかしあなたの依頼を受ける弁護士はいませんよ。既に断られているんじゃないですか?」
「え?」
麻衣子は戸惑い瞬きをした。なぜ彼が麻衣子の事情を知っているのか分からなかったのだ。けれどすぐに察した。
(私が弁護士に依頼できないように、この人が手を回したの?)
強い反発心が、胸の中に生まれて、麻衣子は代理人を睨みつけた。
「政治家がそんな卑怯な真似をしていいんですか? それこそ選挙前に大問題になりますよ!」
今回の経緯を知ったら、多くの人が理不尽だと思ってくれると思う。
けれど代理人は麻衣子の言い分は無視して淡々と続ける。
「ご家族の社会的立場を守りたいのなら、条件を飲むべきです」
「……どういう意味ですか?」
「言葉の通りです」
依頼人はじっと麻衣子を見つめている。背筋が冷たくなるような冷ややかな眼差し。
麻衣子は唇をかみしめた。
代理人は、麻衣子が従わなかったら絵麻と母に何かするかもしれないと、有力者の権力を使って脅しているのだと察したから。
(自分の立場を守る為に、そこまでするの?)
藤倉議員にとって、選挙はそれほど大切なことなのだろうが、麻衣子には到底理解できない。
しかし、自分が圧倒的に不利な立場なのは分かる。理不尽でも受け入れなければ、更に状況が悪化するのが目に見えていた。
麻衣子は深く落胆しながら口を開く。
「……家族と相談しないと返事はできません」
さすがに引っ越しを麻衣子の一存で決める訳にはいかない。話し合の時間を持つくらいは譲歩してもらわなくては。
「分かりました」
代理人は、拍子抜けするほど、すんなり引き下がった。
「え……」
「では二日待ちますので、結論を連絡ください」
彼はそう言うと、席を立った。
(はじめから今日示談が成立させる気はなかった?)
それなのに非情な態度だったのは、麻衣子に条件を飲ませて、家族に相談するという言葉を引き出すためだったのかもしれない。
麻衣子は怯みそうになる心を奮い立たせて、反論する。
「でも、やはり納得できません。玲人さんからの接触が心配なら、それこそ藤倉議員から彼に言えばいいんじゃないでしょうか?」
「納得できないなら裁判にしますか? しかしあなたの依頼を受ける弁護士はいませんよ。既に断られているんじゃないですか?」
「え?」
麻衣子は戸惑い瞬きをした。なぜ彼が麻衣子の事情を知っているのか分からなかったのだ。けれどすぐに察した。
(私が弁護士に依頼できないように、この人が手を回したの?)
強い反発心が、胸の中に生まれて、麻衣子は代理人を睨みつけた。
「政治家がそんな卑怯な真似をしていいんですか? それこそ選挙前に大問題になりますよ!」
今回の経緯を知ったら、多くの人が理不尽だと思ってくれると思う。
けれど代理人は麻衣子の言い分は無視して淡々と続ける。
「ご家族の社会的立場を守りたいのなら、条件を飲むべきです」
「……どういう意味ですか?」
「言葉の通りです」
依頼人はじっと麻衣子を見つめている。背筋が冷たくなるような冷ややかな眼差し。
麻衣子は唇をかみしめた。
代理人は、麻衣子が従わなかったら絵麻と母に何かするかもしれないと、有力者の権力を使って脅しているのだと察したから。
(自分の立場を守る為に、そこまでするの?)
藤倉議員にとって、選挙はそれほど大切なことなのだろうが、麻衣子には到底理解できない。
しかし、自分が圧倒的に不利な立場なのは分かる。理不尽でも受け入れなければ、更に状況が悪化するのが目に見えていた。
麻衣子は深く落胆しながら口を開く。
「……家族と相談しないと返事はできません」
さすがに引っ越しを麻衣子の一存で決める訳にはいかない。話し合の時間を持つくらいは譲歩してもらわなくては。
「分かりました」
代理人は、拍子抜けするほど、すんなり引き下がった。
「え……」
「では二日待ちますので、結論を連絡ください」
彼はそう言うと、席を立った。
(はじめから今日示談が成立させる気はなかった?)
それなのに非情な態度だったのは、麻衣子に条件を飲ませて、家族に相談するという言葉を引き出すためだったのかもしれない。