いきなり三つ子パパになったのに、エリート外交官は溺愛も抜かりない!

 四年前――産婦人科で妊娠検査をして双子だと発覚した数日後、実は三つ子だったと知ったときの衝撃は今でも覚えている。

 頑張って子供を育てようと前向きになっていた気持ちが、ぺしゃりと崩れ落ちるような感覚で、本当に自分に育てることができるのだろうか。あまりにも荷が重すぎると麻衣子は再び悩みのループに戻ってしまったのだ。

 それでも授かった大切な命だ。

 絵麻の多大な協力もあり妊娠期間をなんとか無事乗り切り、生まれて来た我が子を見たとき、麻衣子の心は愛しさと幸せをでいっぱいになり涙腺が崩壊して大変だった。

 妊娠三十四週、帝王切開で生まれた三つ子は、普通の子よりも少し小さかった。

 それでも元気いっぱいに、生まれた喜びを訴え泣いていた。

 大樹は、明るく元気いっぱいで、三つ子のリーダー的存在だ。正義感があって気も強い。納得がいかないと誰にでも意見する怖いもの知らずなところがあるから、麻衣子はいつもハラハラしている。

 柚樹は大樹と正反対の性格をしている。幼いながら冷静で、向こう見ずな兄をいさめるような言動をするときがある。日頃の言動も淡々としているが、決して情がないわけではなくて、心は温かく優しい子だと麻衣子は思っている。

 大樹と柚樹は一卵性双生児だから、外見がそっくりだ。

 小さな卵型の顔に少し目じりが上がった形のよい二重の目と、すっとした鼻に厚すぎず薄すぎない丁度よい唇が非常にバランスよく収まっている。ひと目見て将来が期待できる美形で、眉目秀麗な父親の遺伝子をしっかり引き継いでいる。

 小春は、年齢に相応しい成長をしている兄ふたりに比べると一回り体が小さくて、三つ子なのに、双子の兄と妹と見られることが多い。

 健康な兄と違い小春は体が弱く無理はさせられないため、つい過保護にしてしまっている。
 
 そのせいか、小春は臆病で人見知りなところがあり、物怖じしない兄ふたりの陰に隠れがちだ。

 容姿は麻衣子の遺伝が強いのか、美形とは言えないかもしれない。でも丸くて少し目じりが下がった目が印象的な可愛らしい顔立ちをしていると思う。

 つやつやの黒髪ストレートの兄とは髪質も違い、ふわふわした明るく軟かな髪質は、将来手入れに苦労しそうだと麻衣子は密かに心配している。
< 65 / 134 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop