いきなり三つ子パパになったのに、エリート外交官は溺愛も抜かりない!
「あの、どんな仕事をされているんですか?」
麻衣子は外交官という職業について、よく知らない。華やかなエリートの印象があるが、具体的に何をしているのかまでは考えたことがなかったのだ。
それほど、自分とは関わりがなかった。
(でも、こんな質問をしたら無知だって呆れられちゃうかな)
少し心配だったが、裕斗は親切に答えてくれる。
「外交官の究極の使命は日本の国益を守ることだ」
「……究極の使命?」
思ったよりも崇高で壮大な答えが返ってきて、麻衣子は動揺してしまう。すると裕斗は再び笑った。
「おおげさな言い方だと思うよな。でも俺たち外交官は日本を背負っているんだと、そういった意識を持って行動している。赴任先の国と日本との関係を良好に保つのが大切な役目で、人脈つくりは欠かせない。他にもいろいろあるが、今は日本企業進出のための足場
づくりをしているんだ」
裕斗の口ぶりは迷いがなく、彼が培ってきたものが自信になってあらわれているようだ。
麻衣子は感心しながら口を開いた。
「あの、おおげさだなんて思いません。自分の仕事に誇りを持つなんて素晴らしいです。こうやって留学できるのは日本との関係が良好だからで、それは外交官の活躍のおかげなんだと思いました」
「……ありがとう。そう言って貰えると報われた気持ちになるよ」
素直に感じたことを言葉にしただけだが、裕斗はうれしそうに微笑んだ。