まだ誰も知らない恋を始めよう
「あの、マーロウさん、キャンベルさんによろしくお伝え下さい。
私はスティーブンスと申します。
この学院の平和は、貴女に掛かっています、と」
「えっ、は、い……」
門番さんはわたしを危ない女と危険人物認定したのではなくて、ジェリーの知人だと聞いて、自己紹介と彼女への伝言を言いに来たのだった。
ますます、ジェリーの正体が気になる。
魔法学院の平和? 何なんだ、それ……
疑問符が頭の中を右往左往している状態で、しばらく待つ。
「どういうことだと思う?」と隣のフィニアスとこの疑問を分かち合いたいのに、今それは出来ない。
やっぱり誰にも見えない人とのお喋りは、我が家でしか無理みたいだ。
やがて、門番さんを伴って、赤毛の女性が正門まで来てくれた。
赤毛のベッキーこと、レベッカ・ヴィオン教官が自ら迎えに来てくれたんだ。
うーん、ジェリーの名前の威力が凄い。
「貴女がトレーシー・マーロウさん?」
身近で見る赤毛のベッキーが、こんなに綺麗な人だったとは。
女傑なんて聞いたから、もう少し年嵩の押しの強そうな女性かと思っていたのに。
この美しくて、たよやかな感じの人が
「学院でガキどもをいびって鍛える方が楽しい」なんて言うのかな。
それでも、やっぱり常人ではないようで。
「貴女1人で?」なんて言いながら、フィニアスを見ていた。
私はスティーブンスと申します。
この学院の平和は、貴女に掛かっています、と」
「えっ、は、い……」
門番さんはわたしを危ない女と危険人物認定したのではなくて、ジェリーの知人だと聞いて、自己紹介と彼女への伝言を言いに来たのだった。
ますます、ジェリーの正体が気になる。
魔法学院の平和? 何なんだ、それ……
疑問符が頭の中を右往左往している状態で、しばらく待つ。
「どういうことだと思う?」と隣のフィニアスとこの疑問を分かち合いたいのに、今それは出来ない。
やっぱり誰にも見えない人とのお喋りは、我が家でしか無理みたいだ。
やがて、門番さんを伴って、赤毛の女性が正門まで来てくれた。
赤毛のベッキーこと、レベッカ・ヴィオン教官が自ら迎えに来てくれたんだ。
うーん、ジェリーの名前の威力が凄い。
「貴女がトレーシー・マーロウさん?」
身近で見る赤毛のベッキーが、こんなに綺麗な人だったとは。
女傑なんて聞いたから、もう少し年嵩の押しの強そうな女性かと思っていたのに。
この美しくて、たよやかな感じの人が
「学院でガキどもをいびって鍛える方が楽しい」なんて言うのかな。
それでも、やっぱり常人ではないようで。
「貴女1人で?」なんて言いながら、フィニアスを見ていた。