まだ誰も知らない恋を始めよう
◇◇◇
わたしとフィンのこれまでの経緯を、ジェリーはずっと黙って聞いてくれていた。
マッカーシーの力について話しても、黙って頷くだけだ。
やはり婚約者のオルくんが魔力持ちだから、そういうのを受け入れやすいのかもしれない。
そしてわたしは、ロッカーにバッグを取りに行き、オルくんが別れ際にベッキーさんの目を盗むようにして手渡してきた紙片を取り出して、ジェリーに見せた。
この紙片は、フィンにも見せていない。
「わたし達が帰る前に、オルくんが少し席を外したの。
これを取りに行ってたんだと思う。
わたしに握手するふりをして、これを使え、って小さな声で言われたの」
本当は言葉で言われたのではなくて、彼は自分の心の中を、わたしに読み取らせたんだけど。
オルくんが伝えてきたのは他にもあるけれど、それは今ジェリーには言えない。
わたしとフィンのこれまでの経緯を、ジェリーはずっと黙って聞いてくれていた。
マッカーシーの力について話しても、黙って頷くだけだ。
やはり婚約者のオルくんが魔力持ちだから、そういうのを受け入れやすいのかもしれない。
そしてわたしは、ロッカーにバッグを取りに行き、オルくんが別れ際にベッキーさんの目を盗むようにして手渡してきた紙片を取り出して、ジェリーに見せた。
この紙片は、フィンにも見せていない。
「わたし達が帰る前に、オルくんが少し席を外したの。
これを取りに行ってたんだと思う。
わたしに握手するふりをして、これを使え、って小さな声で言われたの」
本当は言葉で言われたのではなくて、彼は自分の心の中を、わたしに読み取らせたんだけど。
オルくんが伝えてきたのは他にもあるけれど、それは今ジェリーには言えない。