まだ誰も知らない恋を始めよう
それを説明すると、兄がまたもや目頭を押さえた。
イライラの頂点まで、後わずか。
「そんな物を盗んでまでして提供するくせに、自分は探索には協力しないのは、そのチビはどういうつもりなんだ?」
これはわたしの想像でしか無いけれど。
彼が周囲の大人を舐めてて、振り回すのを楽しんでいる様子に、思いつくものがある。
「わたし達の能力がどれ程のものなのか、確認したいんじゃないかな。
魔力と比べてどちらが上か、その力量を見せてみろ、みたいな?
意地は悪いけれど、フィンを見殺しにするつもりは無くて、最終的には解決出来るのは俺だ、と偉そうに出てくるはず」
ベッキーさんは自分達には見張りがついていて、簡単には学院外には出られない、と言っていたけれど、絶対に出られないとは仰らなかった。
それに、あのオルくんなら。
楽勝で見張りの目を掻い潜って、最後のいい場面で目の前に現れそうだ。
それらを踏まえたうえで、兄とわたしが出した結論は、先ずは叔母に会い、話を聞いて貰い助けを請う、だ。
しかし残念ながら、叔母に協力を拒否をされたら、その時点で父に連絡を取る事を兄は了承してくれた。
もちろん、魔法庁にわたしの力がバレてしまうのは覚悟の上だ。
けれど、フィンの命が掛かっている。
父だって分かってくれる。
正義の勇者は自己保身のために、他者を見捨てたりしないのだから。
イライラの頂点まで、後わずか。
「そんな物を盗んでまでして提供するくせに、自分は探索には協力しないのは、そのチビはどういうつもりなんだ?」
これはわたしの想像でしか無いけれど。
彼が周囲の大人を舐めてて、振り回すのを楽しんでいる様子に、思いつくものがある。
「わたし達の能力がどれ程のものなのか、確認したいんじゃないかな。
魔力と比べてどちらが上か、その力量を見せてみろ、みたいな?
意地は悪いけれど、フィンを見殺しにするつもりは無くて、最終的には解決出来るのは俺だ、と偉そうに出てくるはず」
ベッキーさんは自分達には見張りがついていて、簡単には学院外には出られない、と言っていたけれど、絶対に出られないとは仰らなかった。
それに、あのオルくんなら。
楽勝で見張りの目を掻い潜って、最後のいい場面で目の前に現れそうだ。
それらを踏まえたうえで、兄とわたしが出した結論は、先ずは叔母に会い、話を聞いて貰い助けを請う、だ。
しかし残念ながら、叔母に協力を拒否をされたら、その時点で父に連絡を取る事を兄は了承してくれた。
もちろん、魔法庁にわたしの力がバレてしまうのは覚悟の上だ。
けれど、フィンの命が掛かっている。
父だって分かってくれる。
正義の勇者は自己保身のために、他者を見捨てたりしないのだから。