まだ誰も知らない恋を始めよう
何処で何を食べていたのか分からない息子に、久しぶりに美味しい食事をとらせてあげたい、と言う母の心情は嬉しく思うけど。
それが想像出来て、俺はひとり遅れて食事をする事にした。
そんな訳で、昔から居る料理長のバネッサにだけなら事情を話しても、彼女の胸1つに収めてくれる気がするし、と父に頼んだ。
これで現状を知る使用人は、俺の雑事を引き受けてくれたサミュエルと、リネン類の交換等のメイドの代わりをするグレンダ、そして食事を用意してくれるバネッサの3人だけで済む。
「1番辛い本人にこんな質問は酷だけれど、その身体はいつになったら戻るのかしらね?」
フレディから誘われて参加したパーティー以降から今日までの経緯を書いたノートを読んだ母が涙を拭いながら、ハンバーガーを頬張る俺に尋ねる。
軽食にして欲しいと伝えて書斎に運ばせたのは、それを夜食で食べるのは父だと思わせるためで、運んで来たのはサミュエルだ。
母の目には俺も、俺が手にしているハンバーガーも見えていない。
俺は座っているソファーの座面部分を2回続けて叩いた。
これで、『俺も分からない』と返事をしたつもり。
それが想像出来て、俺はひとり遅れて食事をする事にした。
そんな訳で、昔から居る料理長のバネッサにだけなら事情を話しても、彼女の胸1つに収めてくれる気がするし、と父に頼んだ。
これで現状を知る使用人は、俺の雑事を引き受けてくれたサミュエルと、リネン類の交換等のメイドの代わりをするグレンダ、そして食事を用意してくれるバネッサの3人だけで済む。
「1番辛い本人にこんな質問は酷だけれど、その身体はいつになったら戻るのかしらね?」
フレディから誘われて参加したパーティー以降から今日までの経緯を書いたノートを読んだ母が涙を拭いながら、ハンバーガーを頬張る俺に尋ねる。
軽食にして欲しいと伝えて書斎に運ばせたのは、それを夜食で食べるのは父だと思わせるためで、運んで来たのはサミュエルだ。
母の目には俺も、俺が手にしているハンバーガーも見えていない。
俺は座っているソファーの座面部分を2回続けて叩いた。
これで、『俺も分からない』と返事をしたつもり。