まだ誰も知らない恋を始めよう
午後に父にはこれまでの全て(ダニエルの力とモーリス卿の任務の事は伏せている)を、ノートに時系列に沿って詳細に書いて見せたが。
父はそれを母には話していないようで、初見のような顔をして一緒になって、再びノートに目を通していた。
母に読ませたのは、父が最初に読んだものとは違い、母には知られたくない黒魔法についての部分は除いている。
逃亡した外れのメイトリクスを世界の果てまでも追いかけて捕まえて。
それでやっと本人もしくは奴の魔力を喰った魔法士にしか解術出来ない事なんかは、母が知る必要は無いと思ったのだ。
……ただ心配させるだけだから。
それを知らないから、息子はいつか元に戻るのだと。
それまでの辛抱だと母は思って、俺にいつになったら戻るのだと聞いてくる。
それでいいんだ、そう思っていてくれれば。
俺がメイトリクスを追うために、父に魔法士を雇って欲しい、と頼んだ事なんて、母は知らなくていい。
父はそれを母には話していないようで、初見のような顔をして一緒になって、再びノートに目を通していた。
母に読ませたのは、父が最初に読んだものとは違い、母には知られたくない黒魔法についての部分は除いている。
逃亡した外れのメイトリクスを世界の果てまでも追いかけて捕まえて。
それでやっと本人もしくは奴の魔力を喰った魔法士にしか解術出来ない事なんかは、母が知る必要は無いと思ったのだ。
……ただ心配させるだけだから。
それを知らないから、息子はいつか元に戻るのだと。
それまでの辛抱だと母は思って、俺にいつになったら戻るのだと聞いてくる。
それでいいんだ、そう思っていてくれれば。
俺がメイトリクスを追うために、父に魔法士を雇って欲しい、と頼んだ事なんて、母は知らなくていい。