まだ誰も知らない恋を始めよう
俺の姿は見えなくても、慌てて立ち上がったせいでテーブルに膝が当たり、ティーカップが揺れ、お茶が溢れた。
それを見て、メイトリクスは余裕の笑みを浮かべた。
「私を殴りたいか?
立ち上がった姿は見えなくても、お前の殺気を感じるのは不思議なものだな。
だが、お前は物は壊せても、人には触れないんだったな?
だったら、無駄な事は止めておけ」
馬鹿にするなと怒鳴っても、俺の声は聞こえない。
殴りたくても、俺の拳は届かない。
何でこんなに、俺は無力なんだよ!
「フィニアス・ペンデルトン、 落ち着いて話を聞け。
彼女達は、私達の周辺にメイトリクスが変身した人物が居るはずだ、と言うんだ。
昨日、私とダニエル嬢は握手をしたし、ルディアは抱き合った。
それで彼女にも奴の悪臭が移っていたので、レディ・アリアはメイトリクスが成り替わった人物が、お前の両親である私達と接触している、と推察したらしい」
怒りと悔しさで、立ち竦んでいた俺に、メイトリクスかもしれない男が言う。
それを見て、メイトリクスは余裕の笑みを浮かべた。
「私を殴りたいか?
立ち上がった姿は見えなくても、お前の殺気を感じるのは不思議なものだな。
だが、お前は物は壊せても、人には触れないんだったな?
だったら、無駄な事は止めておけ」
馬鹿にするなと怒鳴っても、俺の声は聞こえない。
殴りたくても、俺の拳は届かない。
何でこんなに、俺は無力なんだよ!
「フィニアス・ペンデルトン、 落ち着いて話を聞け。
彼女達は、私達の周辺にメイトリクスが変身した人物が居るはずだ、と言うんだ。
昨日、私とダニエル嬢は握手をしたし、ルディアは抱き合った。
それで彼女にも奴の悪臭が移っていたので、レディ・アリアはメイトリクスが成り替わった人物が、お前の両親である私達と接触している、と推察したらしい」
怒りと悔しさで、立ち竦んでいた俺に、メイトリクスかもしれない男が言う。