まだ誰も知らない恋を始めよう
13 この出会いこそが運命だと浮つく俺
今日、第3カフェテリアで友人と食事をしていた彼女を見つけて、その前を通ったのは、わざとだ。
何を話しているのかは聞こえなかったけど、友達が一方的に話していて、彼女は食べながら相槌を打っていた。
彼女にも俺の姿が見えないと思っていたからこそ、近くまで行けた。
それが……
何故だか身体が消えてしまって、親にも祖父にもフレディにも、気付いて貰えなかった俺に、追いかけて声をかけてくれたのがダニエルで。
……彼女だけが、俺を見つけてくれた。
◇◇◇
ダニエルから現在はこの家に1人で住んでいる、と聞かされて。
そのことで頭がいっぱいになり、他の言葉が入ってこなかった。
お父上のチャールズ・マッカーシー子爵が領地を持たず、王城での勤務経験が無いことは知っていたが、何をなさっておられるのかは把握しておらず、まさか単身国を出ていたなんて。
父は夢を追いかけて、とダニエルは淡々と話していたけれど、そう話せるまでにどれ程の、寂しさや怒りがあっただろうか。
夫人が亡くなっているのに、無責任にも家庭を顧みていないなど、思いもよらなかった。
何を話しているのかは聞こえなかったけど、友達が一方的に話していて、彼女は食べながら相槌を打っていた。
彼女にも俺の姿が見えないと思っていたからこそ、近くまで行けた。
それが……
何故だか身体が消えてしまって、親にも祖父にもフレディにも、気付いて貰えなかった俺に、追いかけて声をかけてくれたのがダニエルで。
……彼女だけが、俺を見つけてくれた。
◇◇◇
ダニエルから現在はこの家に1人で住んでいる、と聞かされて。
そのことで頭がいっぱいになり、他の言葉が入ってこなかった。
お父上のチャールズ・マッカーシー子爵が領地を持たず、王城での勤務経験が無いことは知っていたが、何をなさっておられるのかは把握しておらず、まさか単身国を出ていたなんて。
父は夢を追いかけて、とダニエルは淡々と話していたけれど、そう話せるまでにどれ程の、寂しさや怒りがあっただろうか。
夫人が亡くなっているのに、無責任にも家庭を顧みていないなど、思いもよらなかった。