まだ誰も知らない恋を始めよう

17 初恋の人と再会したわたし

 今日もフィニアスはちゃんと着替えていて、会うなり 
「ダニエルは良い香りがする」と、わたしの髪に顔を寄せた。


 まだ知り合って3日目で、ますます彼の距離感が近くなる。
 どれだけ人懐っこいんだ、この人は。
 こんな人の恋人になったら、周りの女性達に対しての嫉妬で妬け死んでしまいそうだ。

 そして思い付く。
 大学で大抵隣に居る彼女、マーゴット・クレイズ。 
 幼馴染と言っていたけれど、多分彼女が恋人で。
 だから余計に、フィニアスはロジャー・アボットに妬まれて。
 ……うん、きっとそうだ。



 中央市場の前で、15時に待ち合わせして。
 30分でざっと高速スピードで全店を見回って。
 絶対にこれは買う! と今日の優先順位1位の店の前で、スタンバイして。
 15時半の売り切り開始と同時に狙っていたお肉を買い、それから2位3位と駆け回り。
 最初の肉屋の閉店10分前セールに再び滑り込んで、今度は骨付きの鶏肉を更に値切って買う、と言うスタイルはフィニアスには大ウケした。
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