まだ誰も知らない恋を始めよう
晴れた日曜日の午後なのに、楽しかった気分がニールと再会したせいで、台無しになった。
予定通りにお得に買い物が出来て、隣にはわたしの荷物持ちをしてくれる麗しの王子様が居て。
さっきまで、景色はキラキラして見えていたのに。
こんな男とは、もう何の関係も無いんだから。
ぐだぐだを聞く時間が無駄で、勿体ない。
「だから、昔の事はお互いに水に流して……」
「じゃあ、連れがいるから」
私の前に立ちはだかるフィニアスの背後から出て、未だに何か言ってるニールの言葉を遮る。
「え、連れ? エルは1人だろ?」
「俺が居るんだよ、クソが!」
フィニアスがらしくもなく、禁止用語を口にするのが可笑しい。
じゃあ、わたしも庇って貰うだけじゃなくて、黙ってないで、ちゃんと自分で過去にさよならしないと。
「ニール・コーリング、わたしは水に流す気なんか無いし、あんたみたいなクソから謝られても許さない」
「えっ?」
笑い出したフィニアスがわたしの手を握り直して、バス停に向かって走り出した。
呼び止められたせいで発車ぎりぎりに飛び込んだバスの窓から外を眺めたら、ニールが呆然とした様子で立ちすくんでいるように見えた。
予定通りにお得に買い物が出来て、隣にはわたしの荷物持ちをしてくれる麗しの王子様が居て。
さっきまで、景色はキラキラして見えていたのに。
こんな男とは、もう何の関係も無いんだから。
ぐだぐだを聞く時間が無駄で、勿体ない。
「だから、昔の事はお互いに水に流して……」
「じゃあ、連れがいるから」
私の前に立ちはだかるフィニアスの背後から出て、未だに何か言ってるニールの言葉を遮る。
「え、連れ? エルは1人だろ?」
「俺が居るんだよ、クソが!」
フィニアスがらしくもなく、禁止用語を口にするのが可笑しい。
じゃあ、わたしも庇って貰うだけじゃなくて、黙ってないで、ちゃんと自分で過去にさよならしないと。
「ニール・コーリング、わたしは水に流す気なんか無いし、あんたみたいなクソから謝られても許さない」
「えっ?」
笑い出したフィニアスがわたしの手を握り直して、バス停に向かって走り出した。
呼び止められたせいで発車ぎりぎりに飛び込んだバスの窓から外を眺めたら、ニールが呆然とした様子で立ちすくんでいるように見えた。