まだ誰も知らない恋を始めよう
「その魔法、全部モーリス卿の能力で?
妹さんの生活の全てを、把握されているんですか?
凄過ぎないですか! 流石、勇者の家系!」
「はぁあ? 俺は魔法なんか使えない!」
フィニアスはさっき見せた、あの冒険を夢見ていた眼差しとは違う、それでも充分に憧れを込めた瞳で、兄にすり寄って行った……
最初、我が家の能力の話をして、眼鏡を外した時、わたしは覚悟していた。
紳士的なフィニアスだから、ニールのような暴言は言わなくても、気持ち悪がられて、そして……これまでとは違う目で見られてしまうんだろうなと覚悟していた。
だけど実際は違っていた事に安心と、ちょっとだけ複雑なものがある。
彼は『能力』に対して、すごく興味があるみたいで、それを隠さない。
利用したい、のような打算からじゃなくて、ただ単に未知のモノに対しての興味と憧れみたいな? そう思うと、モヤモヤする。
それからフィニアスは兄から魔力と能力の違いを説明して貰い、わたし達は持って生まれた能力以上の力は出せない事。
それに比べて、魔力を持つ魔法士達は魔法学院で学ぶ事によって、どんどん複雑で洗練された魔法を操れるようになる事等を聞いて。
魔力と能力の違いに納得したようだった。
妹さんの生活の全てを、把握されているんですか?
凄過ぎないですか! 流石、勇者の家系!」
「はぁあ? 俺は魔法なんか使えない!」
フィニアスはさっき見せた、あの冒険を夢見ていた眼差しとは違う、それでも充分に憧れを込めた瞳で、兄にすり寄って行った……
最初、我が家の能力の話をして、眼鏡を外した時、わたしは覚悟していた。
紳士的なフィニアスだから、ニールのような暴言は言わなくても、気持ち悪がられて、そして……これまでとは違う目で見られてしまうんだろうなと覚悟していた。
だけど実際は違っていた事に安心と、ちょっとだけ複雑なものがある。
彼は『能力』に対して、すごく興味があるみたいで、それを隠さない。
利用したい、のような打算からじゃなくて、ただ単に未知のモノに対しての興味と憧れみたいな? そう思うと、モヤモヤする。
それからフィニアスは兄から魔力と能力の違いを説明して貰い、わたし達は持って生まれた能力以上の力は出せない事。
それに比べて、魔力を持つ魔法士達は魔法学院で学ぶ事によって、どんどん複雑で洗練された魔法を操れるようになる事等を聞いて。
魔力と能力の違いに納得したようだった。