内緒でママになったのに、溺愛に目覚めた御曹司から逃れられない運命でした。

「寂しくなるなあ。うちの息子たち、璃子ちゃんを妹みたいに思っていたから」
「私も寂しいです」

 郡司と藍里は同じ町内に住んでおり、子どもを通わせている保育園も一緒ということもあって、家族ぐるみの付き合いがある。
 郡司には三人の息子がいて、上から八歳、六歳、四歳だ。璃子と少し年齢が離れているが、遊びに行くといつも蝶よ花よとお姫様のように可愛がってくれた。
 子ども同士、お誕生日会に招かれたり一緒にクリスマスパーティーをしたりと、思い出がたくさんある。
 引っ越したら気軽に会えなくなってしまうし、璃子もきっと寂しがるだろう。

「それにしても……御曹司と結婚するのに、あんまりうれしそうな感じじゃないのね?」
「彼が私と結婚するのは、責任感からですから」

 蒼佑と藍里が結婚するのは、あくまで璃子の親権を争わないためで、便宜上の結婚に他ならない。
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