内緒でママになったのに、溺愛に目覚めた御曹司から逃れられない運命でした。
「私は宗像さんともお似合いじゃないかと思うけどね」
郡司はなにもかも見透かしたようにふふんと、楽しそうに鼻を鳴らした。
結婚を純粋に祝福してくれる郡司の言葉に、ズキンと良心が痛む。
「まあ、なにかあったらすぐに相談してね。宗像さん、すぐに思い詰めるタイプなんだから。璃子ちゃんを妊娠したときだってさあ……」
「その節は本当にお世話になりました」
郡司はテーブルに頬杖をつき、しみじみと過去を語る郡司に改めてお礼を言う。
三年前、璃子を妊娠した藍里と同僚との仲立ちをしてくれたのは他ならぬ郡司だった。
あのとき、藍里は迷っていた。
妊娠がわかり子どもを産むと決めたものの、結婚を間近に控えた蒼佑には頼れない。
今後の生活を考えれば仕事を続けたいのは山々だったが、海老原清光の娘だとわかってから職場では浮いた存在になりつつある。
このまま、この会社で働き続けてもいいのか。
解決の糸口が見出せないまま、ひと月が経ったある日、気まずい空気にたまりかねた郡司が爆発したのだ。