内緒でママになったのに、溺愛に目覚めた御曹司から逃れられない運命でした。

「ここは子供部屋だ」

 蒼佑は次にリビングにある続き部屋の扉を開けた。
 子供部屋の中には天蓋付きのベッドや、可愛らしいドレッサー。窓にはレースのカーテン。
 家具はすべて璃子の好きなパステルパープルで統一されており、壁紙はテディベア柄だ。

「かわいい~!」

 璃子も気に入ったようで、ぴょんぴょん飛び跳ねて喜んでいる。

「こちらはベッドルームだ」

 子供部屋とは反対側のもうひとつの扉を開ける。
 こちらには大きなベッドがふたつ隙間なく並べられていた。
 子どもが落下しないようにベッドガードもついている。
 二歳になったばかりの璃子にはまだ、藍里と一緒に寝ているので、ベッドガードは必要不可欠だ。

「蒼佑さんもここで寝るんですか?」
「そのつもりだったけど、慣れるまで別の方がいいか?」
「そうしてもらえると助かります。璃子はまだ夜中に起きることもありますし」
「わかった。藍里の言う通りにする」

 蒼佑が引き下がってくれて正直ホッとした。
 ただでさえ想像よりも広い屋敷で落ち着かないのに、就寝時まで蒼佑と一緒だと緊張してしまう。
 璃子だけでなく藍里自身も蒼佑が身近にいる環境に慣れる必要がある。
 一階の案内がひと通り終わると次は二階に場所を移す。

「俺の執務室はここだ。なにかあったら直ぐに呼んでほしい」

 二階の東側には蒼佑の執務室、西側には食堂、厨房がある。
 そして、廊下の突き当たりにはもうひとつ。備え付けの鍵とは別に、いかにも頑丈そうな鍵がふたつもつけられた扉があった。
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