キミと桜を両手に持つ

 「ウェブサイトとかソーシャルメディアとかあの時はなんだかよくわからなくて、しかも予算が限られていたから大丈夫ですかと尋ねたら、この予算で必ず売れるような素晴らしいサイトを作りますって力強くおっしゃってくれて」

 彼女は振り返って私を見た。

 「一時は閉めようと思っていたこの店も実家の工場も現在は多くの従業員を抱えるまでに成長しました。あの田舎にある工場には女性もたくさん働いています。藤堂さんの作っていただいたサイトのおかげで彼女たちにも働く場所ができました」

 そういえば先ほど藤堂さんとウェブサイトを見ていた時に、働く女性を支援しているというようなページがあったのを思い出した。田舎でなかなか仕事が見つからない女性達にとって貴重な収入源に違いない。

 藤堂さんも実家が家族で事業をしているから望月さんのご家族の事業になにか共感を得たのかもしれない。それに実際ここで売られている家具はスタイルも流行にのっていてとても丁寧に作られている上質なものばかり。きっと藤堂さんもここの家具を見てサイトをターゲットに見合ったように作って宣伝すればきっと売れると思ったに違いない。

 「藤堂さんにはサイトを作っていただいた他にもソーシャルメディアの使い方も教えてもらったんですよ。イン◯タグラムやツ◯ッターを使って宣伝する方法や綺麗な写真の撮り方などいろいろ指導していただきました。本当に感謝してもしきれないほどなんです。今までいろいろと投資してきましたが一番価値のあった投資だと思っています」
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