悪女だってヒロインになりたいんです。
「あ…そうだね。これからよろしく」
心配そうに顔を覗き込まれハッと我に返り、坂上くんの片手に自分の片手を重ねる。
きっと気のせいだ。
最近美亜のことで疲れ切っていたせいで、きっとそんな幻覚を見てしまったんだ。
坂上くんと別れてお店を出ると、目の前のガードレールに見知った人物が腰掛けながらスマホをいじっていた。
「…え?棗?」
棗がすっと顔を上げると、その鋭いきりっとした瞳と目が合った。
「何してるの?こんなところで…」
時刻はもう午後九時を過ぎているというのにまだ制服姿の棗に、冷静でいようとしてもどうしても動揺が隠せなかった。
さすがにあの後美亜と帰ることはしていないと思うけど、それでも真っ直ぐに帰ったとばかり思っていたのに…こんな遊ぶ場所も何もないような繁華街で一体何をしているのだろう?
「…たまたま通りかかって。藤峰にしつこいくらい言われたし、家に送るくらいはしてやろうかと思って」
「…待っててくれたの?」
気まずそうに首の後ろに手を当てている棗がふいっと視線を逸らしながら口籠もっていた。
心配そうに顔を覗き込まれハッと我に返り、坂上くんの片手に自分の片手を重ねる。
きっと気のせいだ。
最近美亜のことで疲れ切っていたせいで、きっとそんな幻覚を見てしまったんだ。
坂上くんと別れてお店を出ると、目の前のガードレールに見知った人物が腰掛けながらスマホをいじっていた。
「…え?棗?」
棗がすっと顔を上げると、その鋭いきりっとした瞳と目が合った。
「何してるの?こんなところで…」
時刻はもう午後九時を過ぎているというのにまだ制服姿の棗に、冷静でいようとしてもどうしても動揺が隠せなかった。
さすがにあの後美亜と帰ることはしていないと思うけど、それでも真っ直ぐに帰ったとばかり思っていたのに…こんな遊ぶ場所も何もないような繁華街で一体何をしているのだろう?
「…たまたま通りかかって。藤峰にしつこいくらい言われたし、家に送るくらいはしてやろうかと思って」
「…待っててくれたの?」
気まずそうに首の後ろに手を当てている棗がふいっと視線を逸らしながら口籠もっていた。