私は今日女になる
その姿が頼もしくて、私の足は自然に動いていた。

「あの、私。何も用意してなくて。」

「じゃあ、コンビニで買う?」

勇真はこっちを振り向いてくれない。

「勇真。」

私はだんだん勇真が、怖くなってきた。

背中が何故か、他の男と一緒に見えた。

「待って。」

私が止まると勇真は、ピタッと止まった。

「今日じゃないとダメ?」

ゆっくりと振り返った勇真は、じっと私を見る。

「今日、やりたい日じゃなかったの?」

「いや、さっき。温泉でって言ってたから。」

すると勇真は、うんうんと頷き始めた。


「ごめん。」

私は勇真に謝った。

せっかくその気になったのに。

「本当にごめんなさい。」

頭を下げると、勇真は何故かスマホを操作していた。

「勇真?」

「温泉、予約しておいた。」

「はっ⁉」

「今週末、予定空けておいて。」

私は急すぎる展開に、ポカンとしてしまった。
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