大好きなお姉さまが悪役令嬢?!処刑回避のためにひきこもったら、隣国の王子に狙われているようです?
 もそもそとパンを食べているセシリアに、母親が声をかけてきた。
「それがですね、お母様。聞いてください」
 エレノアがそう言って母親の耳元に口を近づける様子を見たセシリアは「お姉さま、内緒にしてください」と唇を尖らせる。
「あら? 子どもたちとは仲良くできなかったのかしら?」
「違うんですよ、お母様。セシリアと仲良くしたいと思っている子が、セシリアをいじめているのです。あの子、本当はセシリアと遊びたいのよ」
 あの行為のどこに「仲良くしたい」という気持ちが隠れているのか、セシリアにはさっぱりわからない。
「なるほどね。セシリア、男の子とはそういうものよ」
 エレノアは仲良くしたいと思っている子が、男女どちらであるかを口にしていなかったはずだ。しかし母親は男の子だと断言してきた。
「男の子とは、なぜか気の引きたい女の子にいたずらをしてしまうものなの。それを受け流す余裕のある心を持ちなさい。あなたたちのお父様も昔は……」
「ゴホッゴホッ」
 いきなり父親が咽た。
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