大好きなお姉さまが悪役令嬢?!処刑回避のためにひきこもったら、隣国の王子に狙われているようです?
 フェルトンの街には、今日も甘い匂いがどこからか漂っている。誰かが砂糖を使った焼き菓子を作っているのだろう。
 砂糖を作る工場の稼働が始まって、三か月が経った。その間、セシリア念願の白い砂糖も作るようになった。
 さとうきびから白い砂糖を作るためには、さとうきび収穫後に二つの工程を経る。砂糖の素となる原料糖を取り出す工程と、原料糖から精製糖を取り出す工程だ。これらをそれぞれ前工程、後工程と呼んでいた。その原料糖を作るために必要となるのが、遠心分離機なのだ。
 さらにその砂糖を使って料理を提供する。甘いお菓子だったり、肉料理だったり。さとうきびの皮をむかずに、そのまま肉と一緒に煮込むと、肉がやわらかくなるというのもわかった。さらにトマトも一緒に煮れば、トマト煮込みができあがる。
 トマトが苦手なマイクも、これならトマトが食べられると喜び、教会の献立の定番メニューとなっている。
 この料理を出す食堂も増えているらしい。そしてわざわざこの料理や、他の砂糖を使った料理を食べるために、近隣から訪れる者もいる。お土産には甘い砂糖を使った焼き菓子。
 早いもので、セシリアがフェルトンの街に住み始めて六か月。両親と離れて暮らす寂しさはほんの少しあるものの、大好きなエレノアもいるし、信頼しているアニーもいるし、魔法を教えてくれるモリスもいる。
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