大好きなお姉さまが悪役令嬢?!処刑回避のためにひきこもったら、隣国の王子に狙われているようです?
 それに先日の八歳の誕生日には、両親も本領からフェルトンにやってきて、お祝いをしてくれた。もちろんそこでは、白い砂糖、黒い砂糖をそれぞれ使ったお菓子がたくさんテーブルの上に並べられ、その光景に一番喜んだのは母親のシンシアだった。
 エレノアの十九歳の誕生日が二か月後に控えている。街の人が何かとそわそわしているのをセシリアは感じているが、さとうきび事業に奔走しているエレノアはそれに気づいていない。
 ボリス商会長やドイル神父夫妻からは、エレノアには内緒にするように言われているから、セシリアも大好きな姉には何も伝えていない。
 ただの大きな草だと思われていたさとうきびが、フェルトンの街を豊かにしている。砂糖はフェルトンの街だけでなく、近隣の町や村、そして王都、さらに隣国にまで少しずつ広がっていた。
 フェルトンの砂糖に興味を持つ者も出てきて、さとうきび畑を見学したいとか、砂糖を作る工場を見たいとか、そういった希望も受け入れている。ただ、その対応は商会に任せている。
 それもこれもエレノアの仕事が多すぎるからだ。さとうきびの生育状況の確認から始まり砂糖の生産計画および販路拡大について、必要経費と売り上げから今年の税金の計算、フェルトンの街に人を呼び込むための街づくり計画、などなど。領主館から出られない日も増えている。
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