大好きなお姉さまが悪役令嬢?!処刑回避のためにひきこもったら、隣国の王子に狙われているようです?
 父親は渋い顔をしたものの、母親の「娘たちを信じましょう」という言葉に背中を押されたようだ。
 こうしてエレノアとセシリアはフェルトンの街に移り住み、それ以降、本領にも戻っていないし、もちろん王都へなど足を運んでいない。王太子ジェラルドとの婚約が解消されたとなれば、エレノアを積極的に茶会に誘いたいと思う令嬢や婦人たちもいないのだろう。エレノアとしては逆にそれでよかったのだが。
 とにかく、さとうきび事業をなんとかしなければという思いと、事業が軌道にのったらのったで、目が回るほど忙しくなった。
 白い砂糖は、魔法の粉である。味気ない料理がたちまち美味しくなる。特に疲れたとき、コーヒー牛乳にたっぷりと砂糖を入れて呑めば、それだけで幸せな気分になれる。
 黒い砂糖は、宝石のようなもの。そのままかじって食べてもよいが、黒い砂糖を使ったお菓子は、甘さの他にもコクが出る。
 砂糖は魅惑的で危険な調味料。だからケアード公爵も、信用のおける相手にしか取引していない。
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