大好きなお姉さまが悪役令嬢?!処刑回避のためにひきこもったら、隣国の王子に狙われているようです?
「おまえは、毎朝、こうやって散歩してるって聞いたが?」
 シオンにそのような情報を流したのは誰だろう。だが、特に内緒にしておくような話でもない。
「はい。毎朝、お姉さまと一緒にさとうきび畑まで散歩をしています。そこで、さとうきびの状態を確認します……お姉さまが」
「もしかして、エレノアがいなければ、そこに行かなくてもよかったのか?」
 なぜかシオンの声色が低くなった。
「いえ。そんなことはありません。セシリアもさとうきびがどうなっているのか、気になります」
 ヒョロロロ~と、鳥の声が聞こえた。
 二人の後ろをアニーがついてきているが、それだって邪魔にならないような絶妙な距離を保っている。シオンと何を話したらいいかがわからず、アニーに助けを求めたいのに、微妙に遠い。
 モリスを誘えばよかったかもと思ってはみたが、彼女は夜遅く寝るから、朝も遅くまで寝ている。だいたい昼前くらいに起き出して、そこからさとうきびの成長に必要な魔法をかけていく。彼女の手にかかれば、北海道のように雪が降る場所も、沖縄のようにあたたかい場所になってしまう。四属性すべての魔法が使えるというのは、季節すら動かしてしまう魔法を使えるということ。
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