大好きなお姉さまが悪役令嬢?!処刑回避のためにひきこもったら、隣国の王子に狙われているようです?
「違います。これは食感を楽しむためにゼラチンを使っているので日持ちがしません。だけど砂糖そのままであれば、長期保存が可能です。粉の砂糖をぎゅっと固めた固形の砂糖を作るんです」
 エレノアは手にしたカップを口元まで運んで、そこで止めた。まるで紅茶の香りを堪能しているようにも見える。
「なるほどね……」
「砂糖は長期保存に向いている? ただの甘い調味料というだけでなく?」
 コンスタッドが割って入る。
「えぇ、そうです……先ほどは生産性と利益の話を優先させてしまったため、砂糖の基本的な性質についての説明が漏れていましたが」
 エレノアはカップを傾け、紅茶を一口飲んだ。だが彼女の言葉には少し含みがあった。実は砂糖の性質について、コンスタッドにすべてを明かすつもりはまだなかったのだ。
「砂糖は水分量が少ないので、雑菌が活動できないのです。そのため防腐効果が期待できます」
「なるほど。そうであれば、シオンが言ったように遠征などでは重宝する食材だ」
「ジャムを作るときにも砂糖を入れて糖度を高めることで、長持ちさせることができます。他にも果物や野菜を砂糖漬けにすれば、保存食にできると考えています」
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