大好きなお姉さまが悪役令嬢?!処刑回避のためにひきこもったら、隣国の王子に狙われているようです?
 コンスタッドは執拗なまでにシオンを睨み続ける。シオンはしらを切ろうとしたが、その視線に負けたらしい。
「……ごめんなさい」
「シング公爵さまとシオンさまも仲良しですね」
 屈託のない笑みでセシリアが言うと、コンスタッドは「君たちほどじゃないけどね」と笑顔で返す。
「私も兄とは年が離れているからね。兄の子のシオンとのほうが年齢は近い感じかな。だからシオンは弟のようなものだよ」
「スタンが兄貴だなんて、ごめんこうむる」
「ほら。本当は私を追いかけてアッシュクロフについてきたというのに、素直じゃないだろう? まあ、こういうところがかわいいのだけれど」
「かわいい、言うな」
 シオンが何を言っても、コンスタッドはそれをひらりと交わして余裕溢れる笑みを浮かべるだけ。
「シオンさまにもお兄さまがいますよね?」
 なによりもシオンは第二王子。となれば第一王子が存在する。
「ああ。三つ年上の兄貴がいるが……まぁ、普通だ。おまえたちほど仲は良くない……と思う」
 どこか歯切れ悪そうに言葉にしたシオンの様子が、引っかかる。
「シオンさまは、お兄さまと喧嘩をしているんですか?」
 シオンとセシリアの間を、ひゅっと小さな風が吹き抜けていく。
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