大好きなお姉さまが悪役令嬢?!処刑回避のためにひきこもったら、隣国の王子に狙われているようです?
 コンスタッドが慌てて左耳を押さえてうろたえ、シオンはいたずら大成功とばかりにケラケラと笑う。
 何が起こったのかわからないセシリアとエレノアは、顔を見合わせた。
「ちょっ……おまっ……耳に息を吹きかけるな。気持ち悪い」
「まぁ、シング公爵もそのような言葉遣いをなさるのですね」
 エレノアがからかうように言う。
「騙されるなよ? スタンのやつ、ここに来てからエレノアに好かれようと必死で、猫を五匹くらいかぶっているからな。化けの皮がはがれればこんなもんだ」
「やっぱりシオンさまとシング公爵さまは仲良しですね」
 セシリアののんびりした声が馬車内に響いたそのとき、遠慮がちなノックの音がした。
 いつの間にか、馬車は目的地に到着していたらしい。
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