大好きなお姉さまが悪役令嬢?!処刑回避のためにひきこもったら、隣国の王子に狙われているようです?
 モリスがパチンと指を鳴らすと、砂糖が溶けて、白い霧のように広がっていく。しかし、もう一度モリスが指を鳴らせば、広がった砂糖がくるくるとまとまった。
「モリス、すごい。あっというまにわたあめができました」
「わたあめ? 綿のようだから?」
 モリスが聞き返してきたところで、セシリアは自分の口を手で押さえた。
 しかしエレノアが何かに気がついたようだ。
「飴……今まで、飴と言えば穀物から作っていたけれど……砂糖を使えば、簡単に飴も作れるのかしら?」
「作れます。砂糖を溶かしてもう一度固めたら、べっ甲のようになるからべっ甲飴です」
「それよりもお二人さん。このふわふわ砂糖はどうしたらいいんだい? もう、周りが溶け始めてるよ」
 モリスが言うように、少しずつわたあめがしぼんでいるように見える。
「はい。食べます」
 セシリアがわたあめを少しだけちぎって、口の中に入れると、すっと溶けるようにして消えていった。
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