大好きなお姉さまが悪役令嬢?!処刑回避のためにひきこもったら、隣国の王子に狙われているようです?
「あと十年、持つか持たないかだろう」
 シオンがそう言うと、グラスの中の水を見つめている。なんとなく、気まずい空気が流れた。
 その流れを断ち切ったのはコンスタッドだ。
「そうそう、ケアード公爵。国に戻ったら、正式に申し込みをしてもよろしいでしょうか?」
 そう言った彼はワイングラスを手にし、緊張をほぐすかのようにコクリと一口飲んだ。
「何をだろうか?」
 父親の声が普段よりも低く聞こえた。
「エレノア嬢に結婚の申し込みを」
 シンとその場が静まり返る。エレノアは恥ずかしそうに顔を伏せ、カトラリーを持つ手を動かす。間違いなくエレノアは喜んでいる。
「なるほど。申し込むのは自由だ。その答えがどうなるかはわからないがな」
「では、そのお言葉に甘えさせていただきます」
 やはり緊張していたのだろう。コンスタッドは残りのワインを一気に飲み干した。
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