大好きなお姉さまが悪役令嬢?!処刑回避のためにひきこもったら、隣国の王子に狙われているようです?
 夢で見たと言ったのに、過去の記憶と言い返すエレノアの鋭さにぞくりとする。どこまで誤魔化せるだろうか。
 それに昨日は、気持ち悪くなったというよりは、不気味な感じがしただけ。早く帰りたかったのは、あのまま続けていれば、エレノアの友達までもがエレノアを攻め立てるのがわかっていたからだ。
 妹からしてみれば、大好きな姉が婚約者や友人たちから糾弾されているところを見たくなかった。
 だが、それをエレノアには言うべきではない。
 そうやって言っていいことと悪いことを判断できるセシリアが、セシリアの中にいるのだ。自分であって自分とは異なる誰か。
「それは……本当に疲れただけです。たくさん人がいたからです。セシリア、あんなにたくさんの人がいるのは、初めてです」
 公爵邸で開くパーティーは、こぢんまりとしたものが多い。それにセシリアはまだ夜会に参加できるような年齢にも達していない。よくて昼間のお茶会だ。
 だから、昨日の卒業パーティーが、セシリアの知るパーティーでは一番参加人数が多いものだった。
 しかしエレノアは、目を細くしてセシリアにじっと視線を向けてくる。それはまるで何かを疑っているようにも見え、怪しんでいるようにも感じられた。
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