大好きなお姉さまが悪役令嬢?!処刑回避のためにひきこもったら、隣国の王子に狙われているようです?
「エレノアお嬢様。ここにいらしたのですね」
 その声によって、エレノアの視線が逸れる。
 走ってやってきたのは、執事の息子のケビンである。まだ年若い彼は、執事としての仕事を学んでいるところだ。また、その若さを生かして、先触れとして駆けずりまわることもあった。
「どうしたの? ケビン」
 彼の姿をとらえたエレノアは、すっと立ち上がった。
「旦那様がお呼びです」
 その一言で、エレノアの顔が強張った。すかさずセシリアは、姉の手を握る。
 驚いたようにセシリアを見下ろしたエレノアだが、その表情は凜としていた。
「エレノアお嬢様、ご案内いたします」
 案内されるまでもなく勝手知ったる場所ではあるものの、エレノアは黙ってケビンに従った。
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