大好きなお姉さまが悪役令嬢?!処刑回避のためにひきこもったら、隣国の王子に狙われているようです?
「ところでセシリア。この草から、砂糖と呼ばれるものができるのよね?」
 エレノアに聞かれ「はい」と元気よく返事をするセシリアだが、さとうきびを知らない者からしてみれば、やはりこれはただの草だ。
「お父さま。このさとうきびを一本、切ることはできますか? この辺から切ったら」
 セシリアはしゃがみ込んで、さとうきびの根元を指し示す。
「あとはこのくらいに切ってほしいのです」
 今度は腕をびしっと両脇につけ、両手で長さを示す。
「できますか?」
 セシリアの言葉に大きくうなずいた父親は、後ろに控えているケビンを見やる。
「奥様、お嬢様。危険ですからお下がりください」
 てっきりケビンが鎌を使って刈り取るのかと思ったのだが、父親本人がさとうきびを刈るようだ。
 セシリアたちが五メートルほど離れたのを確認したケアード公爵は、パチンと指を鳴らす。するとビュンと激しい風が吹いて、さとうきびを一本だけ刈り取り、もう一度指を鳴らしたところで、セシリアが希望した長さに切断された。
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