大好きなお姉さまが悪役令嬢?!処刑回避のためにひきこもったら、隣国の王子に狙われているようです?
「これは……本当に甘いわね。はちみつや果物の甘さとはまた異なる甘さだわ。これでお菓子を作ったら、どのような味になるのかしら?」
 母親は胸を躍らせている。
「なるほどね。この繊維のようなところに甘い汁がたくさん含まれていて、これを絞って砂糖にするってことね」
「そうです、そうです。砂糖にしなくても、そのままジュースにできますし、そのジュースを料理に使って甘い味付けもできます」
「ジュース……液体だと日持ちはしないわね。そのために、粉状にする必要があるのね……」
 さすがエレノアである。さとうきびを見たのも初めて、味わったのも初めてだというのに、砂糖にする必要性を理解している。
「はい。それに、とったばかりはこうやって水分がいっぱいあるさとうきびですけど、そのまま置いておくと水けがなくなって色が変わってしまいます。色が変わったさとうきびは食べられません。だから、できるだけとったらすぐに加工したいんです」
「さとうきびをとって、すぐに汁を搾る。それから煮詰めるんだっけ?」
「そうです、そうです。さすがお姉さまです」
 エレノアが砂糖の作り方を覚えていたことにセシリアも喜ぶが、両親はなんのことだと首をひねる。
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