俺様御曹司は姉御肌で破天荒な美女を堕とせるか?
そんな事もあったりしたが、優依にとって初めてのシンガポールは最高に楽しい所だった。

泊まったホテルは最上階に船の形をしたプールが乗っている所で、昼間はマーライオンやショッピング街をぶらぶらしたりラッフルズホテルでアフタヌーンテイを食べてゆったりしてその後はホテルに帰ってプールを堪能した。

プールから見るシンガポールの景色も圧巻だった。

このプールは宿泊客しか利用できないそうで、プールサイドに寝そべりながら優依は優越感に浸っていた。

ホテルのレストランで夕食を済ませホテルの入る建物に併設されているカジノに行った。

眼の回るようなスケジュールだったが、カジノの後には、研吾は優依を朝までベッドから離さず次の日は昼まで起き上がれない優依だった。

二人はそれまではキスはしても深い関係にはなっていなかったのだ。

優依はこの旅行に行くと決めた時点で研吾とはもう一段階進んだ関係になるのを覚悟した。

恋人として付き合おうとは言われていないが、研吾が初めての相手でこんな素敵なホテルのスイートルームで自分の初めてを研吾にもらってもらえることが嬉しかった。

これで研吾と別れることになっても悔いはない。

いい思い出ができたと満足している。

普通に考えても研吾とどうにかなるなんて望んでも期待してもいない。

ただ人としても一人の男としても最上級の研吾に求めてもらえることが嬉しかった。

多分研吾は優依が処女だなんて思っていなかったと思う。

優依のギャップにはやられっぱなしだと言っていた。

優依はシンガポールの最高級ホテルのスイートルームで最上の男に抱かれて初めてを経験できたのだから思い残すことはないと言ったら

「何言ってんだ。俺は優依の最初で最後の男になるんだからな」

と言う俺様発言に、それはどう意味なのか、処女喪失でテンパっていた優依にはよく分からなかった。

マーライオンもナイトサファリも楽しめてカジノではビギナーズラックなのだろうブラックジャックで五十万ほど勝った優依はそのお金で祖母にブランドのトートバックとスカーフを買った。

親友達にもシンガポールらしいスカーフをお土産に買ってご機嫌な優依に

「優依、自分のものは何を買ったんだ?」

と聞く研吾に

「私のお土産は沢山撮った写真と、ここに
しまった楽しい思い出が一杯あるもん」

と言ってエッヘンといつもの自慢のポーズで胸を張った優依に、その時研吾は完全に堕ちた。

それこそ底なし沼に足を取られたような心細さと、自分はどこまで優依にのめり込んでしまうのかと恐ろしさを感じたほどだった。

優依をこの腕に閉じ込めてしまいたいのに、絶対に閉じ込めておける女ではないと感じている。

奔放で自由で言いたいことを言うくせに優しくていつも廻りの人を大切にする気遣いにあふれている。

彼女を本当の意味で捕まえるのはなかなか大変なのだ。

男を手玉に取っているようで処女だったのだ…

捕まえたと思ったらするっと逃げていく、体を重ねたからと言って自分のものになったなんて思っていたらいつのまにか遠くに行ってしまいそうだ。

二人はいろんな思いでシンガポールの旅行を楽しんだ。
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